【水戸芸術館】ヂョン・ヨンドゥ 地上の道のように

2014年11月05日 12:00 カテゴリ:最新の展覧会情報

 

初期作品から最新作、写真から最新の映像デバイスを使ったメディアアートまで

ヂョン・ヨンドゥの作品を一挙に公開

 

思春期 #16、2011年、写真

思春期 #16 2011年 写真

 

韓国を代表する現代美術作家、ヂョン・ヨンドゥによる大規模な個展が水戸芸術館現代美術センターで開催される。ヂョンは1969年生まれ。2007年には韓国の国立現代美術館が主催する賞「アーティスト・オブ・ザ・イヤー」に史上最年少で選ばれ、2008年にはニューヨーク近代美術館で個展が開催されるなど、国際的に高い評価を得ている。

 

東京物語-B cameraシリーズ 2013年 二連の写真

東京物語-B cameraシリーズ 2013年 二連の写真

 

ヂョンは写真や映像を媒介に、被写体とコミュニケーションを重ねながら作品を制作。子供から老人まで、一般人を被写体にしたり、彼らの記憶や未来の夢、幻想をモチーフに制作された作品は、ひとびとの夢や希望を描きだすと同時に、それらを達成することが難しい現実世界の姿も逆説的にあぶり出す。ヂョンはキャリアの初期に、日本で出会った人々や風景を題材に作品を制作している。その中のひとつである写真作品〈奥様は魔女〉(2001~)は、ヂョンが各国で出会った人々に未来の夢やファンタジーについてインタビューをおこない、それらのイメージを写真で視覚化した作品だ。このシリーズの中に登場するモデルのひとりは、当時水戸の高校に通っていた男子学生であり、この水戸の男子学生をモデルとした作品は2002年に制作されている。それから12年後に開催される今展をきっかけに、ヂョンは久しぶりに水戸の人々と関わりながら新作を制作している。

 

奥様は魔女 2002年 マルチスライドプロジェクション

奥様は魔女 2002年 マルチスライドプロジェクション

 

今展では、さまざまな国からの移民が地域ごとに暮らす街の特性を活かして制作された映像作品〈Six Points〉(2010)、見慣れた街の風景を映画の中のような異世界に変化させる映像のトリックを応用した〈日常の楽園〉(2010)、鑑賞者が映画の中の登場人物になった気分を味わうことができる体験型映像作品〈ドライブ・イン・シアター〉(2013)といった作品を通してヂョンの活動を紹介。これらの作品に加え、ヂョンが水戸で出会った盲目のマッサージ師、白鳥建二が撮影している写真をもとにした映像作品、韓国を代表するマジシャン、イ・ウンギョルやジャズピアニストの小曽根真とコラボレーションした、水戸の街角を舞台に色々なハプニングがまきおこる映像作品、新世代ゴーグル型3Dデバイスで鑑賞する体験型の新作が展示される。

 

Six Points 2010年 ヴィデオ

Six Points 2010年 ヴィデオ

 

日常の楽園 #1-シンガポール 2010年 ヴィデオ

日常の楽園 #1-シンガポール 2010年 ヴィデオ

 

【会期】11月8日(土)~2015年2月1日(日)

【会場】水戸芸術館 現代美術ギャラリー(茨城県水戸市五軒町1-6-8) TEL 029-227-8111

【休館】月曜、ただし祝日のとき翌日、年末年始(12月27日~2015年1月3日)

【開館】9:30~18:00(入場は閉館30分前まで)

【料金】一般800円 中学生以下・65歳以上無料

【関連リンク】水戸芸術館

 

 

■関連プログラム シンポジウム「今、私たちの隣に誰がいるのか?」

【日時】2015年1月18日(日) 14:00~17:00(開場13:30)

【会場】水戸芸術館会議場

【出演】飯田志保子(キュレーター)、窪田研二(キュレーター)、ソ・ジンソク(Alternative Space LOOP ディレクター)、シン・ボスル(トータルアートミュージアム チーフキュレーター)、相馬千秋(アートプロデューサー)、高橋瑞木(水戸芸術館現代美術センター主任学芸員)、チェ・キョンファ(東京都現代美術館学芸員)、チェ・ビンナ(Casco ディレクター)、ぺ・ミョンジ(Coreana Museum of Art space*C チーフキュレーター)

【定員】先着60名(同時通訳付き)

※料金は展覧会入場料に含まれる

 


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