【東京都現代美術館】コレクション・ビカミング

2014年12月18日 08:31 カテゴリ:最新の展覧会情報

 

「開館20周年記念MOTコレクション特別企画」第3弾

コレクションの「収集」と「保存」にフォーカス

 

伊藤 公象《アルミナのエロス(白い固形は・・・)》1984-2009年 撮影:内田芳孝

 

来年20周年を迎える東京都現代美術館。今年はその節目に向かい、同館のコレクション特別企画として「クロニクル 1995-」、「コンタクツ」を開催してきた。

 

特別企画第3弾となる「コレクション・ビカミング」はその名の通り、美術館のコレクションの成り立ちと変化について、作品の収集、保存、公開という美術館活動の実際を通して、あらためて考えようというもの。美術館の活動の中で展示という形であらわれるのはコレクションのごく一部であり、同館の収蔵作品約4700点のうち常設展示室に展示されるのは、年間600点から700点程度。今回は展示に至る手前の活動「収集」と「保存」にフォーカスする。

 

作品が収蔵されるときの重要なポイントの一つである「来歴」(作品が辿ってきた履歴)。今展ではロイ・リキテンスタイン《ヘア・リボンの少女》などの作品の裏面に表示された来歴も展示として構成。また保存修復をめぐり、ナム=ジュン・パイク《TV時計》、山川冬樹《The Voice-Over》などの作品を例に、その課題と取り組みを紹介する。

 

山川 冬樹《The Voice-Over》1997-2008年

 

今展では東京都現代美術館が収蔵方針の一つに掲げている「東京」という視点もクローズアップ。これまでの「クロニクル」展を活かした作品構成により、戦前から現代にいたる世代を超えた「東京」を多面的・多層的に展示する。

 

なお今展では教育普及プログラムとも連携したセクションを設置。収蔵作家の自作についての話やスタジオでの活動の様子をおさめた映像とともに、当該作品を展示する(靉嘔、大竹伸朗、川俣正、白髪一雄、辰野登恵子、舟越桂、松本陽子、元永定正、森村泰昌)。あわせて、収蔵作家・森千裕による現在進行中のプログラム・学校訪問の様子も紹介。同時代の作家ならではの生き生きした美術の現在形を展覧する。

 

展示予定作家

靉嘔、秋山祐徳太子、伊藤公象、大岩オスカール、O JUN、大竹伸朗、オノサト・トシノブ、川俣正、嶋本昭三、篠原有司男、白髪一雄、辰野登恵子、中原實、中村宏、ハイレッド・センター、松本陽子、村山槐多、元永定正、森千裕、森村泰昌、柳幸典、山川冬樹、横尾忠則、ロイ・リキテンスタイン、アド・ラインハート、ナム=ジュン・パイク、ジェフ・クーンズ ほか

 

(左)辰野 登恵子《Untitled 94-7》1994年
(右)オノサト・トシノブ《無題》1957年

 

【会期】2015年1月24日(土)~6月28日(日)

【会場】東京都現代美術館(東京都江東区三好4-1-1) TEL 03-5777-8600

【休館】月曜、5月7日(5月4日は開館)

【開館】10:00~18:00(入場は閉館30分前まで)

【料金】一般500円 大学・専門学校生400円 65歳以上・高校生250円 中学生以下無料

【関連リンク】東京都現代美術館

 

■担当学芸員による「もっと!MOTコレクション」-学芸員がMOTコレクションの舞台裏をご案内します―

【日時】2015年2月14日(土)、3月14日(土)、4月11日(土)、5月16日(土)、6月13日(土) ※各回ともに15:30~1時間程度

【備考】予約不要、要チケット

 

■同時開催 菅木志雄 置かれた潜在性

【会期】2015年1月24日(土)~3月22日(日)

【料金】一般1,100円 大学生・65歳以上800円 中高生600円 小学生以下無料

【関連記事】菅木志雄 置かれた潜在性

 


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