国公私立の博物館長ら400人が参加
「博物館の活性化に必要な館長の役割」でパネル討論
全国の国公私立の博物館長らが参加して博物館をめぐる諸問題を検討する全国博物館長会議(第20回)が6月12日、文部科学省講堂で、約400人が参加して開かれた。主催は文部科学省と公益財団法人日本博物館協会(日博協)。
今回は記念の第20回目。冒頭に合田隆史・文科省生涯学習政策局長と銭谷眞美・日博協会長が挨拶。続いて坪田知宏・同政策局社会教育課長と江崎典宏・文化庁文化財部美術学芸課長の行政説明が行われ、半田昌之・日博協専務理事より事業説明があった。この中では「東日本大震災における社会教育施設の被害状況」や被災ミュージアム再興事業などが説明された。文化財レスキュー事業の実施では、(独)国立文化財機構など13団体の延べ6811名の参加者、同事業の寄付金額は延べ3億1115万8千円、実施個所数は延べ90個所(何れも平成25年3月現在)と報告された。また、「博物館の現状」について登録博物館913、博物館相当施設349、博物館類似施設4485の合計5747(うち国公立が計4448)との構成(平成23年10月1日現在)とされた。
午後には建畠晢・京都市立芸術大学学長、埼玉県立近代美術館館長と仲野義文・石見銀山資料館館長が「博物館の充実方策」と題して事例を発表。建畠氏は、あいちトリエンナーレの地元地域と住民を段階的に巻き込んでユニークな国際展として成功した経緯を語り、仲野氏は同館の活発な広報活動を披露した。
最後に「博物館の活性化に必要な館長の役割」と題したパネルディスカッションがあり、鷹山ひばり・青森県立美術館長、山内有明・鳥取県立博物館館長、柳沢秀行・大原美術館学芸課長(以上パネリスト)と半田氏(コーディネーター)による討論が行われた。各館で様々な問題があり、館長の役割と学芸員の活働の重要さが熱く語られた。
「新美術新聞」2013年7月1日号(第1316号)3面より
【関連リンク】 公益財団法人日本博物館協会