帝国データバンクによれば(株)美術出版社(資本金6600万円、千代田区五番町4-5、代表大下健太郎氏)は3月4日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請した。申請代理人は三山裕三弁護士(千代田区六番町13-12、三山総合法律事務所、電話03-3234-2750)ほか。
同社は1905年(明治38年)創業、44年(昭和19年)3月に法人改組。美術関係専門の老舗出版社として100年以上の業歴を誇り、美術・デザイン・建築物など芸術分野に関する雑誌・書籍の出版を手がけていた。月刊誌「美術手帖」を看板雑誌に、「美学」のほか、書籍「カラー版西洋美術史」「カラー版日本美術史」などの画集作品集、美術選書、芸術史、辞典なども扱っていた。年間30~40点の新刊を発刊し、2014年3月期には年売上高約12億800万円を計上。
帝国データバンクは「従前から多額の負債を抱えていたうえ、業界環境の悪化から本業の出版事業の売り上げも落ち込み、苦しい資金繰りが続いていた。このため、過大な債務負担を圧縮するべく、民事再生法による再建を目指すこととなった」としている。負債は2014年3月期末時点で約19億6300万円。