山名文夫とアール・デコ―資生堂スタイルの確立者―
日本を代表する化粧品会社・資生堂。そのデザイナーとして活躍した山名文夫(1897~1980)の世界を紹介する回顧展「山名文夫とアール・デコ―資生堂スタイルの確立者―」が群馬県立館林美術館で開催される。
山名は大正から昭和初期の時代にフランスのアール・デコ様式の瀟洒な挿絵に大きな影響を受け、気品溢れる女性像による優美なイメージを多数生み出したデザイナー。「アール・デコ」という切り口でその仕事を紹介する今展では、山名が資生堂入社前に手がけた雑誌「女性」「苦楽」の挿絵をアール・デコのファッション・プレートとともに紹介。また1929年の資生堂入社後に商品パッケージや「花椿」の冊子に登場させた「モダン・ガール」から戦後に発表された流麗な線描と巧みな余白による「山名様式」まで、山名が送り出した数々のデザインに迫る。
そのほか今展では矢部季、沢令花、前田貢、川島理一郎、仲條正義など資生堂の他のデザイナーが戦前から近年まで手掛けた化粧品のパッケージ、ポスター、資生堂パーラーの食器なども紹介し、早くから企業のデザイン・アイデンティティーの1つとしてアール・デコを吸収した歴史を紐解く。前後期合わせて約270点の資料を展示。
【会期】前期展示:2015年4月25日(土)~5月24日(日)、後期展示:5月26日(火)~6月28日(日)
【会場】群馬県立館林美術館(群馬県館林市日向町2003) TEL0276-72-8188
【休館】月曜(ただし5月4日は開館)、5月7日(木)
【開館】9:30~17:00(入館は閉館30分前まで)
【料金】一般820円 大高生410円 中学生以下無料
【関連リンク】群馬県立館林美術館