世界初公開の油彩画8点を発表
六本木のワコウ・ワークス・オブ・アートが11月10日よりドイツを代表するアーティスト ゲルハルト・リヒター(1932年ドレスデン(旧東ドイツ)生まれ)の3年ぶり9度目となる個展「Painting」を開催する。
作家自ら「Painting」と名付けた今展では、世界初公開となる最新の油彩画を8点展示。さらに、2010年に制作を開始した、ガラスにラッカーで描いたシリーズ《アラジン》から日本未公開の5点と、さまざまなスナップショット的な写真の上に油彩やエナメルで描く「オーバー・ペインテッド・フォト」と呼ばれる手法による作品も多数展示される。オーバーペインテッド・フォトは、絵画と写真の間を行き来しつつ、絵画とは、絵画性とは、写真性とは何かという考察を続けてきたリヒターのエッセンスが凝縮されたシリーズとして、常に重視されてきた。
同画廊でのゲルハルト・リヒター展は、最新デジタル技術を駆使した《Strip》シリーズの日本公開となった2012年の個展以来だが、油彩画の最新作の公開は、2005年以来、10年ぶり。2012年の個展でガラスの立体作品とともに展示した《Strip》のシリーズは、「仮象(Schein=シャイン、光)」を生み出す作品として究極的であると評価されたが、今年発表した11メートル長の作品がシリーズ最後となった。このStrip以降の動向について注目が高まる中での今回の新作絵画の発表には注目が集まる。
なお展覧会カタログ 「Gerhard Richter “Painting”」が11月10日に発行されるので、こちらも併せてチェックしたい。
【会期】2015年11月10日(火)~12月19日(土)
【会場】ワコウ・ワークス・オブ・アート(東京都港区六本木6-6-9 ピラミデビル3F)
【休廊】日・月曜・祝日
【開廊】11:00~19:00
【料金】無料
【関連リンク】ワコウ・ワークス・オブ・アート