最大で5時間超の入室待ちを記録し、大きな話題を呼んでいる東京都美術館の「生誕300年記念 若冲展」(~5月24日)だが、その行列に観覧をあきらめる声も少なくない。そこで「どうしても伊藤若冲の作品が見たい!」という方に向けて、代替案を探ってみた。
①生誕300年記念 伊藤若冲-京に生きた画家-(細見美術館、京都)
今回の「若冲展」にも作品を貸し出している京都の細見美術館は《糸瓜群虫図》や《雪中雄鶏図》など約19件の若冲作品を所蔵している。6月から開催されるこの展覧会ではこの所蔵品が全て展示されるほか、相国寺を含む若冲ゆかりの寺院からも作品が出品される予定だという。会期は6月25日(土)~9月4日(日)。
②生誕300年記念 若冲と蕪村 江戸時代の画家たち(岡田美術館、箱根)
今年、83年ぶりの再発見が話題となった作品《孔雀鳳凰図》が展覧される今展では、この蘇った幻の名作を中心に、岡田美術館に収蔵される伊藤若冲の作品全7件を一堂に展示。今年、若冲とともに生誕300年を迎える与謝蕪村や、円山応挙・長沢蘆雪・曾我蕭白・池大雅ら若冲と同時代に活躍した画家たちの作品も併せて楽しむことができる。会期は9月5日(月)~12月18日(日)。
③特集陳列 生誕300年 伊藤若冲(京都国立博物館、京都)
特別展ではないが、特集陳列として若冲の魅力に迫る今展では同館所蔵の《墨竹図》や《筍図》、《蟹図》などを25件程度を展示。各地で開催される生誕300年記念の展覧会では紹介されない作品が見られる。会期は12月13日(火)~1月15日(日)。
④Google Cultural Instituteで見る若冲
世界中の美術作品をデジタルアーカイブとして公開している「Google Cultural Institute」には若冲の作品も含まれており、現在17点がオンラインで閲覧できる。なかには静岡県立美術館が所蔵している《樹花鳥獣図屏風》も高精細で見ることができるので、じっくり自宅で楽しみたい人にはお勧めだ。
なお、30幅の《動植綵絵》を所蔵する宮内庁三の丸尚蔵館では今後同作を展示する予定は「全くの未定」とのこと。2021年度までに増築が計画されている同館だが、同作がどのように展示されるかも全くの未定だという。