セーヌ川氾濫で美術館に危機迫る ルーヴル・オルセーの対応は?

2016年06月03日 18:00 カテゴリ:最新のニュース

 

臨時休館を伝えるルーヴル美術館のウェブサイト

 

フランスの首都パリでは降り続いた大雨により、6月2日にセーヌ川の水位は5メートルを超え、氾濫した。

 

セーヌ川近くにあるルーヴル美術館は3日を休館とし、「PPRI(洪水危機予防計画)」に準じて、地下に保管している貴重な美術品を避難させることを発表した。PPRIによると、川の水位が5.5メートルに達したらパリ警察から美術館に通告され、72時間以内に収蔵品を上階に避難させる体制を整える。PPRIは、消防士が普段よりセーヌ川の水位やその変動を観察する、職員の訓練を実施する、ポンプ揚水などの設置、収蔵庫をフランス北部の都市リエヴァンにアウトソーシングすることなどが盛り込まれている。

 

ルーヴル美術館は3月8日に避難訓練を行っていた。終日、地下にあるイスラム美術部門の展示品を上階に移動させる訓練を実施。このような措置は人手を要するが、同館では付属の教育機関、エコール・ドゥ・ルーヴルの学生による支援も取り付けている。

 

オルセー美術館も2日の夜間開館を中止し、3日を休館としてルーヴル美術館と同様、事態に備えた。同館の場合、地下設備が多いため、上階にある発電機を始動すること、セーヌ川に面した展示室の扉の後ろに潜函(鋼製の箱)を設置することなど想定、月に3回職員が避難訓練に参加するなどの策を講じているが、大型絵画の移動には頭を悩ませているところである。

 

 


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