7月23日から青山|目黒にて、「体制裏の芸術家」として伝説的に語り継がれてきた羽永光利のアーカイブ展が開催される。
羽永光利(1933~1999)は1950年代後半から1980年代の激動の時代に、弱者や辺境の人々の視点からシャッターを切り、その生涯をかけて膨大な数の写真を残した。2014年のアートフェア東京ではハイレッドセンター(高松次郎、赤瀬川原平、中西夏之)や工藤哲巳、篠原有司男、麿赤兒(大駱駝艦)等を収めた羽永の記録写真が本格的に紹介されたことも記憶に新しい。近年その写真群の全貌が明らかになるにつれて、単に「時代の目撃者」や「カメラマン」というだけでなく、パフォーマンス・アートの文脈から「現場に介入し撮影を繰り返すラディカルな行為そのものが羽永光利の芸術ではないか」と世界的に再評価されている。
今展では、前衛芸術、舞踏、演劇、世相という4つのテーマを中心に、羽永光利アーカイブの中から選んだ約200点の写真などを展示。会期中にはトークイベントなどの開催を予定している。また、展覧会に合わせ『羽永光利 一〇〇〇』の刊行も決定。羽永の眼を通し、戦後日本社会の変化や前衛芸術の歴史について再検証の扉を開く場となることだろう。
【会期】2016年7月23日(土)~8月20日(土)
【会場】青山|目黒(東京都目黒区上目黒2-30-6)
【TEL】03-3711-4099
【開廊】水~土曜:12:00~19:00、日曜・祝日:12:00~18:00
【休廊】月・火曜
【料金】無料
【関連リンク】青山|目黒