戦前・戦後の日本の前衛美術を代表する一人として、細江英公、池田満寿夫、河原温などに多大な影響を与えた瑛九(えいきゅう、本名:杉田秀夫、1911~1960)。そのデビュー前後に着目した展覧会が、11月22日より東京国立近代美術館ギャラリー4で開催されている。
瑛九は1936年、作品集『眠りの理由』で鮮烈なデビューを飾り、その後さまざまな技法を駆使しながら独自のイメージを探求した。特に、カメラを介さず直接印画紙にものを置いて感光させる「フォト・グラム」の作品で知られ、それらは「フォト・デッサン」と称される。
今回焦点を当てるのは、瑛九24~26歳の頃、デビュー前後の3年間である。同館が近年新たに収蔵したフォト・デッサンやコラージュなど当時の作品約50点と、友人の画家・山田光春らへの手紙を中心に、多様な資料を初公開する。さらにエッチングやリトグラフなど戦後の版画作品、油彩による晩年の点描作品など10点を展示。ミニ回顧展としても楽しむことができる。
展示は年代順の4部構成。理性の光がとどかない心の闇の中で手探りするかのように、自らにとっての「レアル(リアル)」を追い求めた瑛九。その若き日の苦悩と葛藤を、作品と言葉の両面から追体験できる。
【展覧会】瑛九1935-1937 闇の中で「レアル」をさがす
【会期】2016年11月22日(火)~2017年2月12日(日)
【会場】東京国立近代美術館本館2F ギャラリー4(東京都千代田区北の丸公園3-1)
【TEL】03-5777-8600
【休館】月曜(ただし1月2日、1月9日は開館)、12月28日(水)~1月1日(日)、1月10日(火)
【開館】10:00~17:00、金・土曜は20:00まで(入館はそれぞれ閉館30分前まで)
【料金】一般430円 大学生130円 高校生以下および18歳未満無料
※無料観覧日 12月4日(日)、1月2日(月)、2月5日(日)
【関連イベント】書簡から読み解く 1935 -1937年の瑛九
登壇者:大谷省吾(同館美術課長・同展企画者)
日時:2016年12月17日(土)/2017年1月7日(土) ともに14:00~15:30(開場 13:30)
場所:講堂(地下1階)
《チケットプレゼント》
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締切:12月4日(日)必着
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