森美術館は29日、2017年度に開催予定の企画展ラインアップを発表した。「サンシャワー:東南アジアの現代美術展 1980年代から現在まで」と「レアンドロ・エルリッヒ展(仮題)」の2つの展覧会が開催される。
7月からの「サンシャワー:東南アジアの現代美術展 1980年代から現在まで」は、ASEAN(東南アジア諸国連合)設立50周年に当たる2017年に開催される。国内では過去最大規模の東南アジア現代美術展となり、国立新美術館・国際交流基金アジアセンターと共催される。「サンシャワー(天気雨)」は、晴れていながら雨が降る不思議な気象で、熱帯気候の東南アジア地域では頻繁にみられるもの。経済発展や投資、都市開発が進むなど、さまざまな政治的、社会的、経済的変化を遂げてきたこの地域の紆余曲折とその解釈の両義性に対する、詩的なメタファーでもある。同展では東南アジアにおける1980年代以降の現代アートの発展を、複数の視点から掘り下げる。
11月から開催されるのは「レアンドロ・エルリッヒ展(仮題)」。レアンドロ・エルリッヒは、アルゼンチン出身の国際的な現代アーティスト。建築的なインスタレーションの空間に鑑賞者が入り、自らが作品の一部となって鑑賞を楽しむ作風で知られている。日本では、金沢21世紀美術館の中庭に恒久設置された⦅スイミング・プール⦆で親しまれており、2014年には同館で日本での初個展を開催した。そのほかにも越後妻有アートトリエンナーレ2006では、鏡の効果を利用し、人々が建物の壁面にぶら下がっているような「建物」シリーズを発表した。今回は東京における初の大規模個展として、エルリッヒの24年にわたる活動の全容に迫る。
「サンシャワー:東南アジアの現代美術展 1980年代から現在まで」
【会期】2017年7月5日(水)~10月23日(月)
【会場】国立新美術館企画展示室2E、森美術館
「レアンドロ・エルリッヒ展(仮題)」
【会期】2017年11月18日(土)~2018年4月1日(日)
【会場】森美術館
【関連リンク】森美術館