3月9日~11日の3日間にわたり開催される日本最大級のアートフェア「アートフェア東京2018」が、今回の特別プログラムを発表した。2020年を超えてなお日本のアートシーンを盛り上げることを目指し、若手アーティストを支援する2つの新企画が誕生する。
1つ目は、各国駐日大使が推薦する若手アーティストの国際展。中国、コンゴ、コロンビア、イタリア、フランス、イスラエルなどの9カ国の大使館が選んだ、各国代表の新鋭アーティストの作品が紹介される。キュレーションは、東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科アートプロデュース専攻修士課程の黒沢聖覇が担当。各国から集った新鋭アーティストの作品を、同じく新鋭のキュレーターがどのように再構成するのか注目したい。展覧会タイトルは「パンゲア・テクトニクス— 地殻変動するアート ⇄ ものがたりの分岐点 —」。世界中の様々な大陸にある各国大使館から推薦されたアーティストたちを「パンゲア・テクトニクス」(パンゲア=超大陸、テクトニクス=地殻変動)というコンセプトでひとつの展覧会にまとめることで、地球史の長大な時間軸から現代アートを見つめる方法を提案する。大きな視点で、それぞれの国のアート、文化、美学の共通点や差異を発見できるだろう。
2つ目の新企画は、日本を代表する芸術系大学の学生チームが一丸となって挑戦する展覧会「Future Artists Tokyo」。東京藝術大学、筑波大学、女子美術大学、多摩美術大学、東京造形大学、武蔵野美術大学の芸術系6大学の学生によるグループ展として開催される。同6大学から1名ずつアート・プロデュースを専攻する学生・研究員が参加し、チームとなって展示キュレーションに挑戦。未来を担うアーティストやキュレーターの誕生に期待したい。
また、恒例のアートカー企画は「領域を超え、多様な表現者にひらかれた未来社会」を目指し、今回は公募で作品を決定した。「一般社団法人 障がい者自立推進機構」登録の630名を超える作家の作品と、新たな公募作品の中から5名の作品がノミネートし、2017年12月の最終選考を経て、浅野春香(1985年仙台市生まれ)の《シワの絵》に決定。同作はキャンバスではなく米袋をハサミと手で切り、その時に残ったシワを題材にして描かれたもの。審査員は秋元雄史(東京藝術大学大学美術館 館長・教授 / 金沢21世紀美術館 特任館長)、山本豊津(東京画廊+BTAP代表 / アートフェア東京 シニア・アドバイザー)、來住尚彦(一般社団法人 アート東京 代表理事 / アートフェア東京 エグゼクティブ プロデューサー)の3氏が務めた。同作はトヨタ自動車株式会社の燃料電池自動車「MIRAI」にラッピングされ、東京国際フォーラムの無料入場エリアで展示される。
今回は「Art is Life」をテーマに過去最多の国内外164ギャラリーが参加。例年以上に大型ブースの出展が多く、展示面積は前年と比べ20%アップ。迫力ある作品展示が期待できる。公式webサイトには一部ギャラリーの作品が閲覧できる“Artworks”ページもオープンしており、一足先に今年のアートフェアの雰囲気を楽しむことができる。古美術、工芸から近代美術、現代アートまで幅広いジャンルの美術品が一堂に集まる今展。今年はなんと平安時代の仏像や縄文土器も出品されるとのこと。様々な時代、そして様々な地域のアートを体感できる好機となるだろう。
アートフェア東京2018
【会期】
<プレスビューなど>(招待制)
3月8日(木) 13:00 ~ 20:00
<一般会期>
3月9日(金) 11:00~20:00
3月10日(土) 11:00~20:00
3月11日(日) 11:00~17:00
【会場】東京国際フォーラム・ホール E、ロビーギャラリー
【料金】1DAYパスポート 前売券 3,000円(税込)/当日 3,500円(税込)
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