洋画

     
   

私は花や女性を描くことが好きである。黄色の花々の衣装を身につけ、温かな光と風を浴びてそこに佇む女性は花のように美しく可憐。表情や動きの中に女性の美(女性らしさ)を表現し、花の精とした。
ヨーロッパに春を告げるミモザの花は、常緑で黄色の花をつける。原産はオーストラリアというが、日本でも方々で見かけるようになった。<br />
黄色を西に置くと幸運が舞い込むなどと風水で言われるが、黄色は黄金に通じ、心にポッと灯をともす。そんなミモザを中心に咲き誇る花々の中に女性を立たせ、生命の証とした。
私は美しいものが好きである。美しいものに憧れ、永遠の美を画布にとどめられたらと、届かぬ恋の成就を願うような気持で描いてきた。<br />
「フローラ」は、ラテン語で花と春と豊穣の女神をさす。<br />
この作品で二人の女性を対峙させ、そこに花を添えた。女性も花もそれぞれの生を謳歌ずく生命の象徴として描き、バックに緑と暗い紫をあしらい、暗転への予兆とした。

   

 
 

藤井啓子

FUJII KEIKO

旺玄会会員
 
 
1985年
2000年
2008年
2012年
 
香川県生まれ、大阪府立大阪女子大学国文学科を卒業
第51回旺玄展に初出品(以後、連続入選)
旺玄会会員となる
第74回旺玄展に「いざない」(200号F)を出品、松田賞受賞
第78回旺玄展に「フローラ」(200号M)を出品
 
他、自然を描く展などに入選・受賞。個展開催は7回を数え、グループ展に多数出品

 
     

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