洋画

     
   

13世紀中期に建立され、今にその遺溝を残すトルコ・イスタンブールに現存するカーリエ修道院に見られる壁画に想を得て制作しました。生きる者の有限と、いつの時代も変わらぬ永遠の安らぎとを表現の基とし、ビザンチン後期の華やぎと、やがて来る帝国の滅亡に想いを巡らせて仕上げました。

シチリアに花開いたノルマン・シチリア王朝期に造られたビザンチン調の寺院や礼拝堂に見られる金地モザイクに魅せられて構想しました。華やかさと重厚さの中に黒衣の人物を配して、祈りへの強さを表現しました。
シチリア、パレルモ旧市街に建つマルトラーナー教会堂の内壁に施された、シチリア王国ノルマン王朝期の華麗なモザイクの美しい印象を基に。祈りの場の壮麗さも人間の儚さも共に泡の夢でしょう。生きる事への感謝を込めて表現しました。

   

 
 

藤森兼明

FUJIMORI KANEAKI

日本藝術院会員、日展常務理事、光風会常務理事、金沢美術工芸大学非常勤講師
 
1935年
1958年
1959年
1980年
1996年
2004年
2007年
2008年
2009年
富山県生まれ
金沢美術工芸大学油絵科卒業、高光一也に師事
渡米(~63年)
日展特選(同84年)
日展会員となる
日展内閣総理大臣賞受賞
郷土作家シリーズによる個展が砺波市美術館で開催される
日本藝術院賞受賞、日本藝術院会員となる
第62回中日文化賞受賞

 
     

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