洋画

     
   

函館山の麓に佇むハリストス正教会。冬の朝陽に凛とした造形美で浮びあがる。静寂の時、海峡を背に、古き港町にアンジェラスの鐘が白い夜明けを告げる。そんな風景が自分の心の琴線にふれる作品となって生まれてくればと願っている。

北海道、函館元町、夜来の雪がやみ乳白色の朝がやって来る。やがて冬の陽が差し込み、港町は銀白色の光景となる。雪の白さと青黒い海峡のコントラストの妙、教会の凛とした佇まい、そしてまた遠くから雪雲がやって来た。今年も感動する風景との出逢いがあった。
北海道函館、湯の川のトラピスチヌ修道院。天使園の名でも知られている。白い尖塔と緑色の屋根、赤レンガ造りの建物、中庭に聖ミカエルの天使像が銅色を黒々と、そして中央の階段が建物としての造形感をひきしめている。冬の陽が差し込んだ雪の中の佇まいは、北国ならではの美しさがある。

   

 
 

樋口 洋

HIGUCHI HIROSHI

日展評議員、示現会理事長
 
1942年
 
1967年
1970年
1973年
1975年
1987年
1988年
1997年
2004年
2011年
2012年
神奈川県生まれ
楢原健三に師事
示現会展初入選
示現会展佳作賞受賞(同71年)
示現会会員となる
日展初入選
日展特選(同93年)
文化庁現代美術選抜展出品(同94年)
日展会員となる
日展評議員となる
示現会理事長(~現在)
日展内閣総理大臣賞受賞
 
著書に『プロに習う風景画のテクニック』がある

 
     

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