書

     
   

今年は横広の作品に俳句一句を四行に収めた。調和体の漢字とかなの筆脈に重点を置き、横への広がりのある作を心掛けた。この大きさの紙面に俳句一句は表現上至難であるが、自然体で極力無心で揮毫するようにと注意した作である。結果は渇筆の多い作となったのは否めない。


調和体、いわゆる漢字とかなの調和を図り如何に美的に表現するか、簡単なようだが至難な仕事なのである。画数の多い漢字と少ない平がなを組ませてのバランス。簡素な平がなを融和させるには大小の変化や連綿にならざるを得ないのである。かな表現のような余白を生かし、今回は筆脈に重点をおいて制作した。

   

 
 

大井錦亭

OI KINTEI

日展参与、創玄書道会会長、毎日書道会常任顧問
 
1927年
 
1953年
1967年
1983年
1993年
 
1999年
2001年
2002年

秋田県生まれ
渡辺緑邦、金子鷗亭に師事
日本書道美術院展漢字部最高賞受賞
毎日書道展準大賞受賞
日展特選(同85年)
日展会員となる
毎日書道会、近代詩文作家書作家協会より功労賞表彰を受ける
毎日書道展文部大臣賞受賞
日展会員賞受賞
毎日芸術賞受賞
 
このほか、主要団体の要職を歴任。著書に『錦亭臨書精選』がある

 
     

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