書

     
   

窮通(きゅうつう)に欣戚(きんせき)すること勿(なか)れ。<br />
成功したと欣び、不運といって嘆いてはならないの意。<br />
大きく強く構えたく、古隷の形をとり、紙に食い込んで行く線を目指した。


「涯(かぎ)り有るを以って、涯(かぎ)無きに随(したが)う」<br />
荘子の語である。限りある生命(いのち)で、限りない学問や芸術を追い求めることである。私が日々追っている書の世界もまことに玄遠であるが、限りある生命だからこそ集中もし、力も出るのだ。そんな思いを抱いて書いた。<br />
篆書味を残した古隷を用いた。

   

 
 

柳澤朱篁

YANAGISAWA SHUKO

書壇院副理事長、毎日書道会評議員、埼玉県書道人連盟副会長
 
1944年埼玉県生まれ。本名智子。
大野篁軒に師事。書壇院展や毎日書道展に出品を重ねるとともに埼玉三十人展などに出品する。埼玉県美術展の運営委員・審査員をつとめ、著書に『臨書彷徨』がある。

 
     

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