[ときの人] 原口秀夫さん 損保ジャパン東郷青児美術館館長

2013年02月22日 18:55 カテゴリ:コラム

 

撮影:川島保彦

新美術賞を発足、新進作家支援の新しいかたち

 

 

損保ジャパン美術財団は、東郷青児美術館大賞、選抜奨励賞展を公益財団法人への移行に伴い発展的に統合、新たな公募コンクール展「損保ジャパン美術賞展FACE」を発足した。

 

1977年から培ってきた「その時代に最も適した新進作家の支援」に対し、2011年6月館長に就任した原口さんは、「ひと言で申し上げると、これまでのかたちに『制度疲労』を感じたということです」。「日本最高レベルの美術賞のひとつ」という格付を維持するには大胆な改革が必要であった。「年齢・所属を問わず真に力がある作品、国際的に通用する可能性を秘めた作品」を募ると、全国の1275名の新進作家から応募があり、嬉しい悲鳴となった。

 

原口さんは前身の安田火災海上保険株式会社に入社以来、主に企業営業畑を歩いてきた。「訪問するのは企業トップの会長や社長、殆どの皆さんは芸術にも造詣が深い。商談と共に東郷青児美術館の招待券を薦め、展覧会の内容や見所をお伝えしながら芸術談義にも花を咲かせました」。長年の経験・蓄積に加え、損保ジャパンアメリカ社長時代は日本からのVIPを頻繁に各地の著名美術館に案内した。名作ガイドはお手のもの、美術館体験は桁外れである。

 

時代を読み、アメリカで養った感覚を加味した、一歩先の美術館・美術賞・次世代育成の対話型鑑賞教育などのかたちをスタッフと共に模索する。60歳。

 

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「新美術新聞」2013年2月11日号(第1303号)1面より

 


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