1920年代に新写実主義を提唱し、革新的な作品を残した前田寛治(1896~1930)を顕彰するために鳥取県倉吉市と倉吉博物館が主催する前田寛治大賞。審査員の指定した推薦委員が選抜する45才以下の作家の写実絵画に対して授賞するものだ。
第9回は浅野徹氏、入江観氏、笠井誠一氏、宝木範義氏、瀧悌三氏の審査による結果、大賞に吉中裕也氏「Still Life(黄色い水差しのある静物)」、佳作賞一席に安彦文平氏「川辺のアーティチョーク」、佳作賞二席に山田真二氏「Rosoy」、佳作賞三席に森吉健「難破船」が受賞した。大賞作は、全体の造形的な仕組みや新しい展開、静謐な空間の表現、清潔感、トーンが抑制されながら明快な光を感じる点などが評価された。
受賞作およびシード作家の作品を展示する「第9回前田寛治大賞展」は、髙島屋日本橋店と倉吉博物館で開催される。
第9回前田寛治大賞展
[東京展]
【会期】 7月16日(水)~22日(火)
【会場】 髙島屋日本橋店 (東京都中央区日本橋2-4-1) ☎03-3211-4111
[鳥取展]
【会期】 9月6日(土)~10月5日(日)
【会場】 倉吉博物館(鳥取県倉吉市仲ノ町3445-8) ☎0858-22-4409)
【休館】 9月8日・16日・22日・29日
【料金】 一般600円
【開廊時間】 12:00~19:00 (最終日は17:00まで)
【関連リンク】 第9回 前田寛治大賞展
「新美術新聞」2014年6月21日号(第1347号)3面より