「近さ」問う展覧会
大阪のthe three konohanaで新進のキュレーター・長谷川新によるグループ展「OBJECTS IN MIRROR ARE CLOSER THAN THEY APPEAR」が開催される。
長谷川は1988年生まれ。2013年よりキュレーターとしての活動を開始し、同年にチーフキュレーターとして参加した「北加賀屋クロッシング2013 MOBILIS IN MOBILI -交錯する現在-」で国内のアートシーンに頭角を現した。また2014年秋に京都造形芸術大学のギャルリ・オーブで開催した「無人島にて―「80年代」の彫刻/立体/インスタレーション」では前年の企画とは対照的に、自身が生まれていない時代の表現傾向を取り上げ、そこに新たな解釈の可能性を提示した意欲作として記憶に新しい。
今展は近年の美術におけるジャンルの横断や表現・素材の多様性に着目し、それらを明確に分類するのではなく、その境界周辺にある概念や価値、またはその距離感への考察をおこなうもの。タイトルとなっている英文は、アメリカ、カナダ、それとインドを走る乗用車のサイドミラーについている警句(『鏡ごしに見えるものは、見かけより近くにある』の意)であるが、今展においてそのIN MIRRORには取り消し線が引かれる。長谷川は「私たちは互いの「近さ」をもっと許容しても良いのではないか。あるいは今観ているそれが別の似たなにかであり得ることについて、考えを巡らせてみることができるのではないか。だからこの展覧会は、「近さ」について考えられるようにした」との言葉を寄せており、今展は「展覧会と鑑賞者との距離」、「作家(あるいは作品)同士の距離」など、普段意識することのない領域で、新たな刺激を与えてくれるものとなるだろう。
また会期中には京都大学で美学・美術史を専門にする古川萌や、前述の「北加賀屋クロッシング2013展」のカタログにも論考を寄せている菅原伸也などを招いたイベントが予定さており、こちらも見逃せない。
■参加作家
荒木悠、上田 良、折原 ナナナ、柄澤 健介、小濱 史雄、佐伯 慎亮、末永史尚
【会期】1月10日(土)~3月1日(日)
【会場】the three konohana(大阪市此花区梅香1-23-23-2F) TEL 06-7502-4115
【休廊】毎週月曜~水曜、1月17日(土)~28日(水) ※ただし1月12日(月・祝)は開廊
【開廊】毎週木曜~日曜 12:00~19:00
【料金】無料
【関連リンク】the three konohana
■レセプション
【日時】1月10日(土) 19:00~21:00
【会場】PORT(大阪市此花区四貫島1-6-6)
【料金】無料(ドリンクキャッシュオン制)
■めりカフェ「テーマ:抹消の痕跡(仮)」
【日時】2 月1 日(日)18:00~20:00
【会場】PORT(大阪市此花区四貫島1-6-6)
【特別講師】古川萌
【料金】500円+ワンドリンク注文制
■荒木悠作品上映会
【日時】2 月14 日(土) 18:00~21:00
【会場】PORT(大阪市此花区四貫島1-6-6)
【ゲスト】菅原伸也
【料金】500円
■「SAVE THE CLUB NOON」上映会
【日時】2 月15 日(日) 18:00~21:00
【会場】PORT(大阪市此花区四貫島1-6-6)
【ゲスト】宮本杜朗監督
【料金】500円