市民の方々に支えられ 予想外の大反響
昨年12月14日(日)に、宇都宮市東部の河川沿いの道場宿緑地、そして、21日(日)に、駅近くの錦地区で、館外プロジェクト「おじさんの顔が浮かぶ日」を実施しました。縦15m・横10mほどの巨大な「おじさんの顔」が出現すると、三脚を立てて撮影をする方、「巨人だ!」とはしゃぐお子さん、偶然通りかかって驚かれる方など、多くの方々の目を引く作品となりました。
このプロジェクトは、美術・デザインに興味をもっていただくため、2013年度より新たに始めたアウトリーチ事業です。その初回に、現代芸術活動グループ目【め】を招き、同グループの荒神明香さん発案の「おじさんの顔が空に浮かんでいる」光景を作品として実現するという目【め】の構想を、参加市民と力を合わせて目指しました。
浮かぶまでの過程ですが、まず、2013年の9月末から約3ヵ月、宇都宮の中心市街地に「おじさんの顔」募集のための拠点を目【め】に制作・運営してもらいました。そこで興味をもった市民の方々に、「おじさん」モデルの募集と決定をするためのワークショップに参加していただきました。2014年も、月1回のミーティングを軸に、浮かべる場所の実地調査に加え、インターネットラジオへの出演など、参加市民が自主的に活動。目【め】の代表の南川憲二さんも「みなの活動がとまらない」と驚いていました。増井宏文さんが制作統括した「おじさんの顔」の着色は、推定67万粒の黒い点を手作業でつけるという気の遠くなるような内容で、埼玉県にある目【め】のアトリエまで応援に駆けつけてくれた参加市民もいました。「浮かぶ日」当日には、参加者全員が目印の光る帽子をかぶり、来場された方たちにコーヒーをふるまいながら、プロジェクトの説明をしました。
好奇心旺盛で活発に活動してくださった参加市民のみならず、多くの宇都宮市民に支えられたプロジェクトとなりました。
(宇都宮美術館学芸員 小堀修司)
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