「ゴジラ」から「進撃の巨人」まで
日本を代表する映画スタジオの1つ、東宝スタジオ。その80年以上に及ぶ歴史を紐解く展覧会が世田谷美術館で開催される。世田谷区成城に位置する東宝スタジオは、トーキー前夜の1932年に設立された写真化学研究所(通称P・C・L)に始まり、P・C・L映画製作所として本格的に映画作りを開始。1937年には写真化学研究所、P・C・L映画製作所、東宝映画配給、J・Oスタヂオの4社が合併し、東宝映画株式会社が誕生した。1943年に東宝株式会社が設立。“東宝砧撮影所”の呼び名で親しまれるようになり、1971年には現在の東宝スタジオへと改称、近年では業界随一の最新設備に改築された。
今展は第1章「東宝スタジオ/映画の歩み 草創期から映画の黄金時代へ」、第2章「東宝映画の黄金時代 1954年の「七人の侍」と「ゴジラ」」、第3章「東宝砧撮影所(1947年~1970年) 映画と美術/創造性を育む原点」、第4章「東宝スタジオ(1971年~現在) 東宝スタジオの現在/開かれたスタジオに!」の4章で構成。
撮影所の歴史を紹介する第1章から始まり、第2章では1954年に公開された2本の代表作、「ゴジラ」と「七人の侍」に注目し、“特殊撮影”や“東京の時代劇”を生み出した映画美術の魅力を探る。また第3章では映画制作には欠かせない美術デザイナー、衣裳デザイナー、作曲家などの仕事も紹介。猪熊弦一郎、武満徹など映画に携わった多彩なクリエイターたちの仕事を展覧する。最終章では制作の一大拠点として2004年に100億円を投じてスタートした「スタジオ改造計画」と、それと呼応のするように東宝スタジオを拠点に次々と羽ばたいた新たな才能、日本映画の足跡を「進撃の巨人」(2015年8月9月2部作連続公開)に至るまで紹介し、日本映画史を彩った東宝スタジオの歴史を概観する。
【会期】2015年2月21日(土)~4月19日(日)
【会場】世田谷美術館(東京都世田谷区砧公園1-2) TEL 03-3415-6011
【休館】月曜
【開館】10:00~18:00(入場は閉館30分前まで)
【料金】一般1,000円 65歳以上800円 大高生800円 中小生500円
【関連リンク】世田谷美術館