グイド・ヴァン・デル・ウェルヴェ個展「killing time | 無為の境地」
奥村雄樹 個展「な」
京都市立芸術大学ギャラリー@KCUAで、2月20日よりコンセプチュアルアーティスト2名によるダブル個展が開催、日本初個展となるグイド・ヴァン・デル・ウェルヴェと、ベルギーとオランダを拠点に活動する奥村雄樹の2人を紹介する。
■グイド・ヴァン・デル・ウェルヴェ個展「killing time | 無為の境地」
ウェルヴェは1977年オランダ・パーペンドレヒト生まれの38歳。現在はハッシ(フィンランド)、ベルリンとアムステルダムを拠点に活動しており、シアトル美術館、アムステルダム市立美術館で個展を、またMoMA PS1でのグループ展、シドニービエンナーレへの参加など、今もっとも注目を集めているアーティストの一人。
日本初個展となる本展では、最新作を含む全7作品を発表する。ウェルヴェは2000年からパフォーマンスの記録を基にした映像作品を制作。幼少期からクラシック音楽の教育を受けたウェルヴェは、作品に使用する楽曲も自身で作曲しており、音楽のように直感的に伝わる視覚芸術を理想としている。今展では過去 10 年間の作品群を回顧的に展示することで、ウェルヴェの領域横断的な作品に通底する主題と創作への動機の相互関係を解明かし、作家の制作に対する真摯な姿勢と卓越した才能を明示する。
■奥村雄樹 個展「な」
一方、奥村は1978年青森県生まれで、現在はマーストリヒトとブリュッセルを拠点に制作活動を行っている。MISAKO & ROSENでの個展のほか、「アウト・オブ・ダウト 六本木クロッシング 2013」(森美術館)や「MOT アニュアル 2012: 風が吹けば桶屋が儲かる」(東京都現代美術館)などに参加。「私」の不確定性や作者性をテーマとしながら、他者との協働や美術史への言及性が高いコンセプチュアルな作品を制作してきた。
今展では、河原温との会遇に着想を得たサウンドインスタレーションの新作を発表。同作は、河原温が「河名温」として登場する宮内勝典の小説「グリニッジの光りを離れて」を原作としており、60年代後半のニューヨークの空気感、河原の作品が内包する宇宙的な時間の拡がりや名前とアイデンティティをめぐる問題、奥村の自伝的な要素等の重層的な題材が、作品に通底する精緻なコンセプトに支えられることにより、高い同時代性をもった表現として成立している。
【会期】2016年2月20日(土)~3月21日(月・祝)
【会場】京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA(京都市中京区押油小路町238-1)
【TEL】075-253-1509
【休館】月曜、ただし3月21日(月・祝)は開館
【開館】11:00 ~19:00(入場は閉館30分前まで)
【料金】無料
【関連リンク】京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA