【東京オペラシティアートギャラリー】サイモン・フジワラ　ホワイトデー

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【東京オペラシティアートギャラリー】サイモン・フジワラ　ホワイトデー

2016年01月28日 09:49　カテゴリ:最新の展覧会情報

2010年に優れた現代美術のアーティストに贈られるカルティエ・アワードを受賞、2012年にはイギリスのテート・セントアイヴスで大規模個展が行われるなど、国際的に高い評価を得ているベルリン在住のアーティスト、サイモン・フジワラが日本の美術館初となる大規模個展「サイモン・フジワラ　ホワイトデー」を東京オペラシティアートギャラリーで開催している。

フジワラは現在33歳。日本人の父とイギリス人の母を持ち、4歳まで日本で暮らした。その後、母の故郷イギリスをはじめ世界各地で幼少期を過ごしたフジワラは、その国際的なバックグラウンドからあたりまえと思われていることを検証する目を養い、それを鮮やかな手法で作品へと展開させてきた。その作品は、絵画や立体、ヴィデオ、ときには他人の制作物まで、さまざまな要素を組み合わせてひとつの場面をつくる。舞台空間を思わせるようなインスタレーションは、実際の社会的なものごとや自分自身と家族の歴史を題材にしており、そのなかにはフィクションが挿入されることもある。

フジワラは、人々が日ごろ無意識に受け止めている「システム」に光を当て、その背後にさまざまな理由、経緯、ときには思惑が存在することを明らかにする。会場では展示室全体を工場の生産ラインとして構成し、高級品として売買された毛皮のコートの毛を刈り、皮を継ぎ合わせてつくる作品《驚くべき獣たち》の生産現場が出現するなどこれまでにない試みも。現代を生きる私たちにとって「豊かさとは何か」を考えるきっかけとなる今展、人間の複雑な美しさやアートの力をあらためて感じさせてくれる機会となる。