作者はアーティスト・野老朝雄(ところ・あさお)氏
東京2020エンブレム委員会(委員長:宮田亮平)は25日、2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックのエンブレムを決定した。
今回、4月8日に発表された最終候補4案から選ばれたのは組市松紋。歴史的に世界中で愛され、日本では江戸時代に「市松模様(いちまつもよう)」として広まったチェッカーデザインを、日本の伝統色である藍色で、粋な日本らしさを描いた。形の異なる3種類の四角形を組み合わせ、国や文化・思想などの違いを示しており、違いはあってもそれらを超えてつながり合うデザインに、「多様性と調和」のメッセージを込め、オリンピック・パラリンピックが多様性を認め合い、つながる世界を目指す場であることを表したもの。
A案の作者はアーティストの野老朝雄氏。野老氏は1969年東京都生まれ。1992年東京造形大学デザイン学科建築専攻卒業。2011年より紋様の制作を始め、建築の床面や壁面、バッグなどの模様や企業のロゴマークなど、美術、ファッション、建築の多領域に渡り活動。
これまで「MOTアニュアル2010:装飾」(東京都現代美術館)をはじめ、「マテリアライジング展Ⅱ」(東京藝術大学大学美術館、2014年)、単位展(21_21 Design Site、2015年)「個と群」野老朝雄×青森市所蔵作品展(国際芸術センター青森、2016年)などの展覧会に参加。また主な作品に工学院大学125周年記念総合教育棟のファサードパターン+サイン計画(2012年)や、BAOBAO TOKOLO PATTERN(2015年)、大名古屋ビルヂング下層部ファサードガラスパターン(2015年)などがある。現在の所属はTOKOLO.COM。
なお今回のエンブレム公募では1万4599点が集まり、最終候補には組市松紋のほかに「つなぐ輪、広がる和」(作者=久野梢・1978年生まれ/デザイナー)、「超える人」(作者=後藤崇亜貴・1966年生まれ/アートディレクター・デザイナー)、「晴れやかな顔、花咲く」(作者=藤井智恵・1967年生まれ/デザイナー)の3案が残っていた。