新審査員に岡部あおみ氏、保科豊巳氏ら
写真も審査対象に追加、最高賞賞金は120,000USドル=約1,200万円
国際公募展として一昨年にスタートし、52カ国2,838人4,186点の応募を集めた「アートオリンピア2015」。第2回展を来年に控え、注目される応募要項が明らかになった。最高賞賞金は、前回同様に国内最高額の12万USドル(約1,200万円)。出品申込期間は来年2月15日(水)~4月3日(月)、5月に作品搬入となる。第1回展はなぜ成功したか、そして課題は?山口伸廣・本展実行委員長と水戸邦雅・事務局長に聞いた。
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審査員には新たな顔が加わる。元武蔵野美術大学教授で資生堂ギャラリーアドバイザーのキュレーター・岡部あおみ氏と、美術家で東京藝術大学副学長の保科豊巳氏の2名だ。その他、前回から引き続き、建畠晢・多摩美術大学学長、画家の千住博氏の計4名が審査員をつとめる。実行委員会には、洋画家の遠藤彰子・武蔵野美術大学教授が加わる点も注目である。
海外からは、ガゴシアンギャラリー ディレクターのキャラ・ヴァンダー・ウェグ氏ら第1回展からの審査員に、森美術館で2006年に開催された「アフリカ・リミックス」展でチーフ・キュレーターをつとめたシモン・ンジャミ氏らが加わる。応募者にとっては、より多彩な評価を期待することができるだろう。
「われわれは美術の〝素人〟。固定観念が無いからできた」と山口伸廣氏はいう。山口氏は建築・不動産業など十数社を経営しつつ、自ら陶芸も手がける美術コレクター。以前は公募団体展にも出品し、落選の苦杯もなめた。その経験は、評価の点数化、最終審査の公開という透明性につながり、全作家への点数通知という方法を生んだ。コンクールでは通常、入選者をのぞき評価の内容は伝えられず、不満に思う出品者も多い。水戸氏も、「結果についての問合せはひとつも無かった」と話す。
入選作による展覧会(2015年6月)は、会期中に1万人の来場者を記録。作品の購入希望については事務局が仲介し、国外の作家であれば送金にまつわる手続きや手数料を負担した。課題は、海外からの応募数。一例ながら、美術学校など2千もの宛先にチラシを送付したが、その取組みに見合う反響は得られなかったという。「グローバルアーティストとなる人材の発掘」に向け、試行錯誤は続く。
「アートオリンピア2017」は(財)アートオリンピア実行委員会が主催。117cm四方以内の平面作品を募集する。入選作による展覧会は、17年6月17日(土)~25日(日)豊島区庁舎1階としまセンタースクエアにて開催。
なお現在、山口氏は岡山県備前市の藤原啓記念館のリニューアルを手がけている。来春には「備前724国際美術館」として新たに開館し、人間国宝の作品展示とともに、「アートオリンピア」の入選作品も常設展示される予定だ。
【問合せ】アートオリンピア実行委員会事務局
【TEL】048―650―5544
【関連リンク】アートオリンピア2017公式ホームページ