「美術館に行こう! ディック・ブルーナに学ぶ モダン・アートの楽しみ方」長野県・佐久市立近代美術館で7月開催

2017年06月29日 16:00 カテゴリ:最新のニュース

 

ディック・ブルーナ PHOTO:F.André de la Porte

ディック・ブルーナ
PHOTO:F.André de la Porte

 

 

収蔵品を併せて展示―〝気づき〟のきっかけを:工藤美幸(佐久市立近代美術館美術館係長)

 

きっと誰もが一度は目に触れている絵本の主人公「ミッフィー(うさこちゃん)」。ミッフィーの生みの親であるディック・ブルーナはオランダを代表する絵本作家、またグラフィックデザイナーのひとりとして知られていますが、今年2月、世界中に惜しまれながら亡くなりました。ブルーナの独自のスタイルを生み出した背景にモダン・アートからの影響があったことをご存知でしょうか。若い頃、特にマティスの作品に強い衝撃を受けたとのことです。

 

1997年に刊行された『うさこちゃん びじゅつかんへいく』では、両親と一緒に初めて美術館を訪れたミッフィーが色々なことを感じ、考え、びっくりしたり、感動したりします。この絵本を通じてブルーナは、難しく思われがちなモダン・アートだけれども、実はとっても楽しいものなんだよ、ということを伝えてくれています。

 

本展は絵本の内容に沿ってミッフィーと一緒に近代美術館の収蔵作品との出会いを楽しんでいただくとともに、ブルーナ作品を通して彼の幅広い世界の魅力に触れていただき、ワークショップも楽しめる3部構成になっています。収蔵作品のセクションは7つのテーマを設定。例えば、「ほんものみたい」で展示されている奥村土牛の《柿》。“ほんものそっくり”って一体どういうこと?“写真みたい”なこと?と問いかけています。

 

「ほんとにうごきだしそう」では大森運夫の《虹》から聞こえる風や衣擦れの音、瀧本光國の《化現―滝’01-Ⅰ》に見える水と時間の流れをぜひ感じ取って欲しいと思います。「かんたんにみえるけど・・・」で展示されている松本旻の《順列―白―(凸)》。シンプルな作品だからこそ観る人の思索に委ねられる、豊かな幅を持った作品だと気づいていただきたい、そしてだからこそ恐れずに、自由な心で作品と対話して欲しいと願っています。

 

簡単な親子の会話に見えるけれど、とても深く美術の本質を問いかけているミッフィーの言葉とあわせ、子どもたちや普段あまり美術に親しみのない方々にこそ楽しんでいただきたい展覧会です。

 

 

奥村土牛《柿》佐久市立近代美術館蔵

奥村土牛《柿》佐久市立近代美術館蔵

 

大森運夫《虹》佐久市立近代美術館蔵

大森運夫《虹》佐久市立近代美術館蔵

 

 

「美術館に行こう! ディック・ブルーナに学ぶ モダン・アートの楽しみ方」

【会期】 2017年7月8日(土)~8月31日(木)

【会場】 佐久市立近代美術館(長野県佐久市猿久保35―5)

【TEL】 0267―67―1055

【休館】 会期中無休

【開館】 9:30~17:00

【料金】 一般800円 高校大学生400円 中学生以下無料

 

■いらっしゃいミッフィー~記念あくしゅ会~

【開催】7月15日(土)・30日(日)  ともに11:00~/14:30~

【料金】 無料(要観覧券)

【参加方法】 各回先着30組。当日有効な観覧券を持参の上、受付で整理券を受け取ること。整理券は、両日・各回開始時刻の60分前より配布。

 

■ミュージアムコンサート~心が豊かになる音楽への招待~ヴァージナルのしらべ

【開催】7月23日(日)11:00~/14:00~ 定員無し

【演奏者】 上薗未佳(洗足学園音楽大学非常勤講師・日本チェンバロ協会会員)

【料金】 無料(要観覧券)

 

 

〈招待券プレゼント〉

同展の招待券を、5組10名様にプレゼントいたします。

メールのタイトルに「美術館に行こう!展 招待券プレゼント」とご記入の上、①郵便番号②住所③氏名④年齢⑤職業⑥当サイトへのご意見 を以下のメールアドレスまでお送りください。

present@art-news.co.jp

締切 7月17日必着

 

※応募多数の際は抽選とさせていただきます。なお当選者の発表は、発送をもってかえさせていただきます。

 

 


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