公益財団法人菊池美術財団、菊池寛実記念 智美術館が主催し、21世紀陶芸界の新たな展開を探る公募展「菊池ビエンナーレ」第7回の大賞が、和田的の《表裏》に決定した。
今回は、国外を含む各地より総数322点の応募があり、そこから入選作品52点(うち入賞5点)が選出された。審査員は、伊藤嘉章(九州国立博物館副館長)、唐澤昌宏(東京国立近代美術館工芸課長)、杉浦康益(陶芸作家)、前田昭博(陶芸作家)、菊池 節(菊池寛実記念 智美術館館長)、花里麻理(菊池寛実記念 智美術館学芸部長)の各氏。
大賞を受賞した和田 的は1978年千葉県生まれ、日本工芸会正会員。2001年に文化学院陶磁科を卒業し、上瀧勝治に師事。2005年の独立以降、第35回新作陶芸展日本工芸会賞(’07)、第3回菊池ビエンナーレ奨励賞(’09)、第6回パラミタ陶芸大賞展大賞(’11)、第9回現代茶陶展TOKI織部大賞(’16)と着実に評価を高め、特に今年は第27回タカシマヤ文化基金タカシマヤ美術賞、第64回日本伝統工芸展東京都知事賞、第37回伝統文化ポーラ賞奨励賞と受賞に恵まれた年であった。天草陶石を主な原料にした磁土をろくろで挽き、乾燥後に彫刻刀で形を彫り出し焼成するという独自の技法によって生み出されるその作品は、洗練されたシャープな造形の中にも温かみを感じさせ、実力、人気とも近年もっとも注目される新鋭の一人である。
このほか、優秀賞に津守愛香《人魚仏》、奨励賞に田島正仁《彩釉鉢》、釣光穂《Ivy》、中田雅巳《SEN》が選ばれている。入賞、入選作品は12月16日より菊池寛実記念 智美術館で開催。
【展覧会】第7回菊池ビエンナーレ 現代陶芸の<今>
【会期】2017年12月16日(土)~2018年3月18日(日)
【会場】菊池寛実記念 智美術館(東京都港区虎ノ門4-1-35 西久保ビル)
【TEL】03-5733-5131
【休館】月曜、祝日のとき翌日、年末年始(12/28~2018/1/1)
【開館】11:00~18:00 (入館は17:30まで)
【料金】一般1,000円 大学生800円 小・中・高生500円
【関連リンク】菊池寛実記念 智美術館