公益財団法人香雪美術館は開館45周年を記念し、神戸市の本館に次ぐ新たな展示施設「中之島香雪美術館」を3月21日にオープンする。
新しい美術館は、大阪屈指のビジネス街・中之島エリアにそびえる超高層ビル「中之島フェスティバルタワー・ウエスト」内に設けられた。20メートルにわたる木目の「切子格子」や温かな土壁に彩られたロビー・エントランス。最新鋭の空調、低反射加工を施した展示ケース、高演色性能のLED照明が装備され、現代建築と伝統美が融合した空間で、喧噪を忘れて静かに美術品と向き合える。
香雪美術館は、朝日新聞社の創業者・村山龍平(1850~1933)が収集した日本と東アジアの古い時代の美術品を所蔵する。常設展示では、重要文化財・旧村山家住宅に建つ茶室「玄庵」を茶庭も含めて正確に再現した「中之島玄庵」も見どころの一つ。古田織部好みとして名高い藪内流家元の茶室「燕庵」の様子を忠実に伝え、茶道関係者の関心も集めている。
開館記念展「珠玉の村山コレクション~愛し、守り、伝えた~」は1年をかけて開催し、重要文化財19点をはじめとする村山コレクションから選りすぐった約300点余を一挙公開する。オープニングを飾る「Ⅰ 美術を愛して」(2018年3月21日(水・祝) ~4月22日(日))では、村山龍平と特にゆかりの深い名品や、収集をめぐるエピソードが知られる作品を中心に展示。刀剣を出発点に、仏教美術から書跡、中近世絵画、さらに茶道の世界へと広がりを増した村山コレクションのエッセンスが味わえる。以降の日程は、「Ⅱ 美しき金に心をよせて」(4月28日(土)〜6月24日(日))、「Ⅲ 茶の道にみちびかれ」(7月7日(土)〜9月2日(日))、「Ⅳ ほとけの世界にたゆたう」(10月6日(土)〜12月2日(日))、「Ⅴ 物語とうたにあそぶ」(12月15日(土)〜2019年2月11日(月・祝))。
【展覧会】開館記念展 「珠玉の村山コレクション ~愛し、守り、伝えた~ 」Ⅰ美術を愛して
【会期】2018年3月21日(水・祝)~4月22日(日)
【会場】中之島香雪美術館(大阪府大阪市北区中之島3-2-4 中之島フェスティバルタワー・ウエスト4階)
【TEL】06-6210-3766
【休館】月曜日、祝日の場合は翌火曜日
【開館】10:00~17:00(入館は16:30まで)
【料金】一般900円 高大生500円 小中生200円
【関連リンク】中之島香雪美術館