散歩道で、日々出会った光、植物、水、そして女性の心情と気配をテーマに作品を描いています。私の描く作品には、深海シリーズと淡水シリーズがあり、「深海シリーズ」は生と死の境界線を、「淡水シリーズ」には希望、喜び、慈愛などをテーマに描いています。
日々、アトリエ近くの森林公園を歩き、日の光、水の粒、花や木々、雲や雨の形状を抽象化して、自分らしいオリジナリティー溢れる作品に仕上げる事を大切にしています。誰も描いた事のない形や色を生み出す事に喜びを感じています。
私の作品のモチーフは全て、日々の生活に溶け込んでいるものばかりです。
普通だったら気が付かず、見過ごしてしまう儚い存在のものたちも、自分の中にあるフィルターを通し、じっくり観察する事で、驚く程美しい造形と色彩に変貌します。この過程を踏むことで、唯一無二のオリジナルの形と色になります。
どんな小さな生き物にも、それぞれに与えられた使命があり、それを全うする為に存在していると感じています。
そうしたものたちの息遣いを受け取れるように、自分自身が心身共に、いつも澄んだ状態でいる事が、モチーフに出会えた感動・感謝に繋がると思っています。
高野 真木子(たかの・まきこ)
1965年東京都生まれ、87年女子美術大学卒業、88年同研修生修了。94年新制作協会展初入選(以後毎年)、2015年新作家賞受賞、18年会員推挙。現在、新制作協会会員、日本美術家連盟会員。5月27日(月)~6月1日(土)銀座・うしお画廊にて「高野真木子展―祈りと光と―」開催。
【関連リンク】高野真木子 Instagram