1930年代から60年代にかけてアメリカで活躍した画家、ベン・シャーン(1898~1969)を紹介した展覧会が開催中だ。
リトアニアのユダヤ人家庭に生まれたベン・シャーンは、8歳のときに家族でニューヨークへ移住した。貧民街で育ち、石版画工房で働きながら美術を学んだシャーンは、一貫して人種差別や貧困をテーマに制作を続けた。第五福竜丸やドレフュス事件をモチーフにした作品などで知られる。また、グラフィック・デザインの分野でも活躍し、繊細ながらもダイナミズムを湛えた線描の魅力は日本の画家やデザイナーにも大きな影響を与えてきた。
今展では、埼玉県朝霞市の丸沼芸術の森のコレクションの中から近年収蔵された初公開の絵画やドローイングなど約250点を展示。ヒューマニズムが貫かれたシャーン芸術の精髄を味わいたい。
【会期】 2012年11月17日(土)~2013年1月14日(月・祝)
【会場】 埼玉県立近代美術館 (さいたま市浦和区常盤9-30-1)
☎048-824-0111
【開館時間】 10:00~17:30 (入場は閉館30分前まで)
【休館】 月曜(祝日のときは開館)、12月25日(火)~1月4日(金)
【料金】 一般900円 高大生720円 中学生以下、65歳以上、障害者手帳をお持ちの方は無料
【関連リンク】 埼玉県立近代美術館 公式ホームページ
新美術新聞2012年12月11・21日合併号(1299号)6面より