ときに空を、ときに水面をあらわす群青。美しく光をためる青の色彩を特徴に、「青い墨絵」とも評されるのが日本画家・村居正之(1947年京都市生まれ、日展評議員)である。
画家は68年に画塾・青塔社へ入会し、池田遙邨に師事。日展での発表と並行し、和光などでの個展、日本画研究グループ「NEXT」の結成・発表と、精力的に活動する。大阪芸術大学では、教授として後進の指導にあたる。
今展ではトルコの古代ギリシャ遺跡や日本の風景をとらえた大作から小品までを幅広く展覧。特に注目したい「12星座シリーズ」は、歴史的な遺跡群の上空に星座がきらめく構図となる。遺跡と星座が響きあい、時間や歴史を包みこむ、美しい調和が見るものをとらえることだろう。
日本画の魅力を固定せず、しなやかに前進する村居の画業。青の色彩に没入するような、陶酔の絵画体験となるに違いない。
【会期】 2013年1月9日(水)~15日(火)
【会場】 髙島屋日本橋店6階美術画廊(東京都中央区日本橋2―4―1)
☎03―3211―4111
【休廊】 無休
【料金】 無料
【巡回】 2月20日(水)~26日(火)髙島屋京都店
「新美術新聞」2013年1月1・11日号(第1300号)8面より