1929年金沢市に生まれ、金沢美術工芸専門学校(現・金沢美術工芸大学)第一期生として高光一也や宮本三郎の薫陶を受けた洋画家・村田省蔵(日本藝術院会員、日展顧問)。今展は、94点の油彩画からその足跡をたどる回顧展として、金沢市の石川県立美術館で開催されるものである。
村田は在学中に日展に初入選を果たし、22歳で上京、小絲源太郎に師事した。早くから高い描写力を発揮し、風景画を中心に日展、光風会展(66年退会)で入選を重ねていく。75年に日展会員、98年に日展内閣総理大臣賞、2006年には恩賜賞・日本藝術院賞受賞、同会員に就任した。
今展では、初期の自画像や婦人像、金沢の家並みに、86年に始まる北海道シリーズ、近年てがける新潟の稲架木(はさぎ)が立ち並ぶ風景までを展覧。深々とした詩情あふれる色彩を特徴に、実直で揺らぎない心情が託された村田の作品世界を楽しみたい。
【会期】 2013年1月4日(金)~2月11日(月・祝)
【会場】 石川県立美術館(金沢市出羽町2―1)☎076―231―7580
【休館】 会期中無休
【開館時間】 9:30~18:00(入館は閉館30分前まで)
【料金】 一般800円 大学生600円 高中小生200円
記念講演会「これからの道」
1月13日(日) 13:30~
【講師】 村田省蔵(聞き手 嶋崎丞・同館館長)
【会場】 美術館ホール 【料金】 無料
「新美術新聞」2013年1月1・11日号(第1300号)8面より