ある作家の個展でエスキースを展示していることはよくある。しかしそれらは大抵、無数にある作品構想のほんの一部にすぎない。
今回、広田稔(1959年広島県生まれ、白日会常任委員)は50冊のスケッチブックという形式で作品を発表する。国内外で取材した風景、静物、白馬、バレリーナなどを、油彩以外のあらゆる技法で描写。ワトソン紙、ホワイトワトソン紙、ブレダン紙など、さまざまな紙のスケッチブックを用いることで、同じテーマでも異なる発色や効果をみせる。画面にはマティスやロダン、ボブ・ディランらの言葉を一言ちぎってコラージュし、新たなイメージを展開させている。
躍動感溢れる広田の筆致から生まれる豊穣な作品世界を、余すところなくみせた意欲的な企画である。
【会期】2012年6月20日(水)~26日(火)
【会場】髙島屋東京店6階美術画廊(東京都中央区日本橋2-4-1)
☎03-3211-4111 【休廊】 無休 【料金】 無料
【巡回】7月11日(水)~17日(火)髙島屋大阪店、7月25日(水)~31日(火)髙島屋京都店、8月8日(水)~14日(火)ジェイアール名古屋タカシマヤ、8月22日(水)~28日(火)髙島屋新宿店、8月29日(水)~9月4日(火)髙島屋横浜店
ライブペインティング
7月14日(土) 14:00~
【会場】髙島屋大阪店6階美術画廊
「新美術新聞」2012年6月11日号(第1282号)4面より