ルーマニアの大地に息づく 人間の真の豊かさ
ルーマニアの大地や人びとを描いた作品を追求する画家・佐々木信平(1936年旧満州国奉天、現・瀋陽生まれ、二紀会常務理事)の新作展が開かれる。
佐々木は武蔵野美術学校を卒業後、抽象表現主義やシュールレアリスムへ傾倒。その後、1960年代後半に旅行で訪れたルーマニアに魅了され、10年以上前からライフワークとして描き続けている。広大な農地に、大地の恵みを受けながら豊かに生きる現地の人々。画家にとってルーマニアは、「忘れていた人間の真の豊かさを思い出させてくれた」地であった。
今展では、近年の二紀展の出品作をはじめ、現地の日常を描いた30余点を展観する。草木の一本一本まで丹念に描き浮かび上がらせた大地の表情、人間の存在感と背後にあるドラマ。穏やかな空気に包まれた佐々木の作品には、人間とは何かという本質的な問いが根ざしている。心にしみこんでくるような情景を堪能してほしい。
【会期】 2013年1月9日(水)~15日(火)
【会場】 日本橋三越本店本館6階美術特選画廊(東京都中央区日本橋室町1-4-1)
☎03-3241-3311
【開廊時間】 10:00~19:00
【休廊】 無休 【料金】 無料
【関連リンク】 日本橋三越本店
「新美術新聞」2013年1月1・11日合併号(第1300号)8面より