技法としての木版の魅力を最大限にたたえ、洗練されたイメージが魅了する井上勝江(新潟県生まれ、日本板画院評議員)。その創作の歴史を背景も含めて紹介する展示が、銀座・永井画廊にて開催される。キュレーションは美術評論家・勅使河原純が手がける。
板院展において棟方志功に見出された井上は、黒と白の端正なコントラスト、心地よい調和をもたらす構成に、代名詞といえる「花」の表現を特徴として、発表を重ねてきた。その歴史をたどる今展は、第1部に棟方志功作品が展示され、第2部ではウィリアム・モリス柄の大作3点が空間を充たす。関東医療少年院で子どもたちに木版画を教えてきた活動は第3部で紹介。カレンダーのために子どもたちが作った、世界遺産、滝、タワーのある風景などが展示される。
副題「師弟と共に」には、二重の意味がある。棟方と井上、そして井上と生徒たちである。師に学び、師から巣立つ。その豊かな実りが出迎えてくれる展示だ。井上の作品は約30点を予定。
【会期】 2013年2月4日(月)~22日(金)
【会場】 永井画廊(東京都中央区銀座4-10-6)
☎03-3547-9930
【休廊】 日曜・祝日 【開廊時間】 11:30~19:00
【料金】 無料
【関連リンク】 永井画廊 公式ホームページ
「新美術新聞」2013年2月1日号(第1302号)4面より