―ナイアガラから、グランド・キャニオン、ヨセミテへ。―
アメリカ合衆国の美術家たちは、建国以来、大陸の大自然の姿をとらえ表現し続けてきた。本展では、ボストン美術館のアメリカ美術コレクションの中から、アメリカの風景をモチーフにした作品を5つの章に分けて紹介している。
第1章は「ニューイングランド」。合衆国の中でも最も古い歴史を持つ同地を描いたフレデリック・エドウィン・チャーチらの作品は、当時のアメリカの人びとに、自国の自然の美しさを伝えた。続く第2章は「中部大西洋」。ニューヨークなど都会のイメージが強い地域だが、ナイアガラの滝などの景勝地にも恵まれる。特にボストン美術館所蔵品の中でも重要とされる「ブルー・ナイアガラ」(=左図)は必見だろう。
第3章は「南部」。特にフロリダは、19世紀後半は人気の観光地となり、多くの美術家が訪れて作品にしている。第4章「西部」では、ヨセミテを描いた作品群や、グランド・キャニオンに魅了された日本人風景画家・吉田博の版画が興味深い。最後に第5章「想像上の風景」には数々の幻想的な風景画が並ぶ。
絵画や写真あわせて62点を展覧。19世紀から20世紀にかけて、当時の美意識を通じて表現された雄大な景観を堪能してほしい。
【会期】 2013年1月12日(土)~5月6日(月・休)
【会場】 名古屋ボストン美術館(名古屋市中区金山町1-1-1) ☎052-684-0101
【開館時間】 平日10:00~19:00
土・日曜・祝日・休日10:00~17:00 (入館は閉館30分前まで)
【休館】 月曜、祝休日のとき翌日
【料金】 一般1200円 シルバー(65歳以上)・学生900円
※中学生以下無料
【同時開催】 「すくいとられたカタチ FORMS IN FLUX ボストン美術館芸術大学×愛知県立芸術大学」
【関連リンク】 名古屋ボストン美術館
「新美術新聞」2013年2月1日号(第1302号)1面より