【滋賀】 古代ガラス -色彩の饗宴-

2013年03月14日 19:06 カテゴリ:最新の展覧会情報

 

ゴールドアカンサス文碗 大英博物館蔵 © The Trustees of the British Museum

今より4500年ほど前、北メソポタミアでガラスは誕生した。その美しさに人々は魅了され、進化する技法は天然の貴石をしのぐほどの、美しいガラスを生みだすようになっていく。

 

ガラスと天然の貴石が同等の価値を有していた時代に、いかにその美を創造し高めていったのか、今展では技法もたどりつつ、古代ガラスの謎へ迫る。大英博物館からは世界的名宝10点が特別出展し、そのうち8点は日本初公開。展示全体では、国内の優れたコレクションを合わせた約200件もの規模となる。

 

一言にガラスと言っても、器として用いられたものから、工芸的な作品まで様々である。「ゴールドアカンサス文碗」は南イタリア・カノッサ墓より発見。ゴールドサンドイッチという技法により、精緻なアカンサス文と波文が金箔から表現された、紀元前250年頃のものである。ふたつの透明ガラス碗のあいだに、金箔の造形が挟まるという高度な技術が駆使され、大英博物館が誇る名宝の一つと言える。

 

ファラオ頭部 MIHO MUSEUM蔵

「ファラオ頭部」はさらに遡り、紀元前1400~1350年頃のもの。現存する古代エジプトのガラス彫刻では最大のものであり、王家の庇護の下、ファラオ専属の技術者らが最高の原料と最大の努力によってなしえた傑作である。

 

古代の作品とともに、実際の貴石、復元された作品なども合わせて展示。深遠なガラスの魅力と、そこへ宿る人々の美意識にも触れることのできる貴重な機会となる。

 

【会期】 2013年3月9日(土)~6月9日(日)

【会場】 MIHO MUSEUM(滋賀県甲賀市信楽町田代桃谷300)

☎0748-82-3411

【休館】 月曜、4月30日、5月7日、ただし4月29日、5月6日は開館

【開館時間】 10:00~17:00(入館は16:00まで)

【料金】 大人1000円 高・大生800円 小・中生300円

【巡回】 2013年7月6日(土)~9月1日(日) 岡山市立オリエント美術館

【関連リンク】 MIHO MUSEUM 公式ホームページ

 

会場風景

会場風景

講演会「古代ガラス研究の最新の成果」

2013年4月21日(日) 14:00~15:30

【講師】 谷一尚・岡山市立オリエント美術館館長

【会場】 MIHO MUSEUM 南レクチャーホール

【料金】 無料(要観覧券)

※事前予約不要、先着100名(当日、受付にて入場整理券を配布)

 

「新美術新聞」2013年3月21日号(第1307号)1面より

 


関連記事

その他の記事