国立新美術館(東京・六本木)で開催されている「アーティスト・ファイル2013」の会期も残りわずかとなった。国内外で注目すべき活動を展開する現代作家を取り上げ個展形式で紹介する本展は、2008年に第1回が開催され今回が5回目、約2年ぶりの開催となる。国籍、年齢、ジャンルを問わず多彩な作品により構成される会場は、現代アートの最先端を紹介する場であるとともに我々が生きる世界の豊かな多様性を表しているかのようだ。
参加作家は、イギリスを中心に世界的に活躍し、ヴェネツィア・ビエンナーレ(2003)やテート・ビエンナーレ(2009)に参加。叙情的で瞑想的な写真・映像作品で広く高い評価を集めるダレン・アーモンド(イギリス)をはじめ、古いシーツを用いた独特の表現方法により、平面でありながらも重層的な世界観を創り上げる東亭順、CGを用いず実写によって生み出される現実と虚構が交錯する不思議な作品が魅力のヂョン・ヨンドゥ(韓国)、ありとあらゆる素材を相互に、そしてその場と接合し関係づけることによって緊張感に満ちた仮設的な空間を作り上げる利部志穂、積み木状の陶片と丸太を使った巨大な構築物を制作、近年は屋外のサイト・スペシフィックな仕事を数多く手がける國安孝昌、幾重にも重なるイメージによる夢想的かつ寓意的な絵画や映像作品を展開、今展では「ドクメンタ13」(2012)に出品された新作の映像インスタレーションを展示するナリニ・マラニ(インド)、テンペラと油彩を併用して一見愛らしくもどこか毒気を帯びた子どもたちの肖像を描く中澤英明、作品集『CANARY』(2007)で注目を集め、徹底的なリサーチに基づくその作品が圧倒的な力をもって心の奥底に響く写真家・志賀理江子ら30代から60代という幅広い世代の作家たち8名。人気作家の新作や話題の映像作品、大規模なインスタレーションなど見どころに溢れた空間を楽しんでほしい。
また、「六本木アートナイト2013」の開催にあわせて、3月23日(土)は入場無料 & 22:00まで開館(入場は21:30まで)。当日10:00から25日(月)18:00までの間、國安孝昌の「往く鳥の御座2013-01」、「往く鳥の御座2013-02」が同館エントランス周辺で特別展示されるほか、利部志穂とアーティストの川西隆史によるパフォーマンスが同館1階ロビーで予定されている(18:00~18:30)。
【会期】 2013年1月23日(水)~4月1日(月)
【会場】 国立新美術館 企画展示室2E(東京都港区六本木7-22-2)
☎03-5777-8600(ハローダイヤル)
【休館】 火曜
【開館時間】 10:00~18:00 ※金曜は~20:00
(入場は閉館30分前まで)
【料金】 一般1,000円 大学生500円
【関連リンク】 アーティスト・ファイル2013 公式ホームページ