―色彩(いろ)のかたち―
素材の透明感がもたらす軽妙洒脱さが魅力のガラス工芸。同時に、豊かな発色と視界を造形上の奥行きにより生まれる重厚感もまた魅力である。藤田潤(1951年東京都生まれ)の作品はそのことをあらためて感じさせてくれる。
藤田潤は学習院大学哲学科を卒業後、父・藤田喬平の指導のもとガラス工芸の道へ。父の技法を継承する一方、自然界の気韻や生命の尊厳をテーマに、現在は日本とヴェネチアを往還しながら自らの作風を追求し続けている。特にガラス表現の神髄は色彩にあると考える藤田は、ヴェネチアで制作を始めて8年になり、より一層色彩を自在に生み出すことができるようになったという。今展では、新たな取り組みとして、ヴェネチアで制作したモザイク技法による2色のブロック配色を用いたエネルギッシュな作品を発表。新シリーズの飾筥や花器のほか、カンナやモザイク、張り合わせ技法による新作を展覧する。5月18日(土)14時よりギャラリートークを開催。
【会期】2013年5月15日(水)~21日(火)
【会場】 髙島屋日本橋店6階美術画廊(東京都中央区日本橋2-4-1)
☎03-3211-4111
【開館時間】 10:00~20:00
【休館】 無休 【料金】 無料
【関連リンク】 髙島屋日本橋店
【巡回】
京都展=2013年6月12日(水)~18日(火)髙島屋京都店6階美術画廊
岡山展=2013年7月17日(水)~23日(火)髙島屋岡山店7階美術画廊
「新美術新聞」2013年5月1・11日合併号(第1311号)4面より