鋭敏な批評精神、卓抜なユーモアを、高度な技術から描きだす画家・福田美蘭(1963年東京生まれ)。90年代以降の代表作から最新作まで約70点による展覧会が東京都美術館で開催される。昨春のリニューアルオープン後、初の現役作家による個展となる。
展示内容は、福田らしい発想と誠実さに貫かれたものとなる。吉岡徳仁による同館ロゴをモチーフとした「ロゴマークを描く」や、同館設計の前川國男へのオマージュに、母校・東京藝術大学や上野公園にまつわる「アカンサス」といった今展ならではの新作を楽しめる。
また、ダ・ヴィンチやレンブラント、安井曾太郎らへ新たな視点をもたらす名画のシリーズや、東日本大震災を受けて制作された「秋―悲母観音」など、社会性の高い作品も紹介される。
自らのルーツや同時代を見つめ、ほかに無いスタイルを築いてきた福田。その歩みを概観できる展示となる。
【会期】 2013年7月23日(火)~9月29日(日)
【会場】 東京都美術館 ギャラリーA・B・C(東京都台東区上野公園8―36)☎03―3823―6921
【休室】 月曜、祝日のとき翌日
【開室時間】 9:30~17:30(9月27日をのぞく金曜日は21:00まで、入室は閉室30分前まで)
【料金】 一般800円 団体(20名以上)600円 65歳以上500円 学生400円
【関連リンク】 東京都美術館
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【講師】 建畠晢氏(京都市立芸術大学学長)
【日時】 2013年7月28日(日) 14:00~15:30
【会場】 東京都美術館講堂
【料金】 無料
※ 定員230名、当日13:00より整理券配布、定員になり次第受付終了
「新美術新聞」2013年8月1・11日号(第1319号)4面より