洋画家・宮芳平(1893~1971)。新潟県に生まれ東京美術学校で学んだこの作家は、生前、画家として高らかな名声を得ることなく、半生を信州諏訪の美術教師として過ごした“野の花”のような作家であった。しかし、中村彜、高村光太郎、村山槐多ら親密に交流した作家たち、宮をモデルに短編小説『天寵』を著した文豪・森鷗外の名は、その画家人生が決して凡庸なものではなかった事を我々に示している。
今展では、初期のロマンティシズムあふれる作品から、諏訪の生活の中で生まれた風景や人物等の作品、さらに、晩年のローマ、エルサレム等をまわる聖地巡礼の旅により生まれた「聖地巡礼」シリーズや「太陽」シリーズまで、油彩画に加えて素描、銅版画、ペン画など多彩な作品を展示。純粋、誠実に芸術を求め、一心に生きた画家・宮芳平の歩みをたどる。
【会期】 2013年8月2日(金)~9月1日(日)
【会場】 茅野市美術館 (長野県茅野市塚原1-1-1 茅野市民館内)
☎0266-82-8222 アクセス
【休館】 火曜
【開館時間】 10:00~18:00
【料金】 一般500円 高校生以下無料
【巡回】
・2013年9月15日(日)~11月24日(日) 練馬区立美術館
・2013年12月21日(土)~2014年2月24日(月) 島根県立石見美術館
・2014年4月26日(日)~6月1日(日) 新潟県立近代美術館
・2014年7月19日(土)~9月7日(日) 安曇野市豊科近代美術館
【関連リンク】 茅野市美術館
美術講座 「宮芳平 絵のあゆみ」
【日時】 8月24日(土) 14:00~
【会場】 茅野市民館アトリエ
【講師】 澤田龍太郎 (安曇野市豊科近代美術館学芸員)
【参加費】 無料
子どものための美術教室「野の花を描こう」
【日時】 8月25日(日) 10:00~12:00
【会場】 茅野市民館イベントスペース
【講師】 中沢優子 (洋画家・春陽会会員・宮芳平教え子)
【参加費】 200円
【定員】 15名 (事前申込)
【対象】 小学生(小学生4年生以下は要保護者同伴
朗読会「宮芳平・愛の花束」
【日時】 9月1日(日) 14:00~
【会場】 茅野市美術館
【朗読】 大月秀幸(俳優)
【参加費】 無料、ただし展覧会チケットが必要
「新美術新聞」2013年8月1・11日合併号(第1319号)4面より