ポーラ美術館では、「モネ、風景をみる眼―19世紀フランス風景画の革新」が開かれている。今展は、国内有数のモネ・コレクションを誇る私立のポーラ美術館と国立美術館である国立西洋美術館が共同して企画したものだ。
両館のコレクションからモネの作品36点を中心としてマネからピカソまで約100点の主要作品を選び、絵画空間を構成するといった観点から他の作家と比較しつつ、風景に注がれたモネの「眼」の軌跡をたどり、モネの絵画空間の独自性を明らかにする。
両館が誇る印象派コレクションのいずれにおいてもモネが中核をなす。西洋美術館では、モネと親交のあった松方幸次郎がモネのアトリエで直接、譲り受けた「睡蓮」をはじめとする作品群が収蔵され、ポーラ美術館では、1870年代初頭の若き日の作品から1908年晩年の作品にいたるコレクションによってモネの画業をたどる内容となっている。
両館のコレクションには、共通したテーマを扱っている作品や、制作に関して影響関係が指摘されている作品が含まれている。今回、掲載図版2点の例、あるいはモネ「グランド=ジャッド島」とセザンヌ「ポントワーズの橋と堰」のように、いままで一緒に見たかった作品を並べて展示し、いわば夢の共演を実現しよう、という企画だ。
【会期】 2013年7月13日(土)~11月24日(日)
【会場】 ポーラ美術館(神奈川県足柄下郡箱根町仙石原小塚山1285)☎0460-84-2111
【休館】 会期中無休
【開館時間】 9:00~17:00(入館は閉館30分前まで)
【料金】 一般1800円 シニア割引き(65歳以上)1600円 大学・高校生1300円 中学・小学生700円(土曜日無料)
【巡回】 2013年12月7日(土)~2014年3月9日(日)国立西洋美術館
【関連リンク】 ポーラ美術館
【関連記事】 ポーラ美術館ふたつの話題から―青木野枝氏彫刻、フジタ未発表作
「新美術新聞」2013年7月21日号(第1318号)1面より