類まれな線描による優美な作品をのこした吉川霊華(きっかわ・れいか、1875~1929)。1983年のサントリー美術館以来となる、約30年ぶりの回顧展が開催される。
霊華はやまと絵の研究からはじめ、東洋芸術を自らのものとしていった。1916年には鏑木清方、平福百穂らと結成した金鈴社(きんれいしゃ)にて名を知られるが、帝展などからは距離を置き、作品を好む人々に支えられながら古典と線描美を探究した孤高の画家である。
今展には「幻の代表作」と称される帝展出品の大作「離騒(りそう)」をはじめ、約400点の作品調査から厳選されたそれらのほとんどが初公開。約100点の作品、スケッチ帳38冊、模写、草稿、資料、印章などが出品。「忘れられた巨人」吉川霊華の偉業が明らかにされる。
【会期】2012年6月12日(火)~7月29日(日)
【会場】東京国立近代美術館(東京都千代田区北の丸公園3-1)
☎03-5777-8600 【休館】 月曜、7月17日、ただし7月16日開館
【開館時間】 10:00~17:00(金曜のみ20:00まで)
【料金】 一般850円 大学生450円
【関連リンク】www.momat.go.jp/Honkan/kikkawa_reika/index.html
講演会
7月7日(土)14:00~15:30
【講師】 笠嶋忠幸(出光美術館学芸課長代理)
【会場】 同館講堂(地下1階) 参加無料、先着150名
ギャラリートーク
6月23日(土)、30日(土) ともに14:00~15:00
7月6日(金)18:00~19・00
【講師】 鶴見香織(同館主任研究員・今展企画者)