今年4月に港区西麻布の一角にオープンし、才能と意欲に満ちた新進美術家を独自の視点から紹介するNANATASU GALLERY。若き美術家達の幸運を願い、幸運の数字「7」を加える「+」=「NANATASU」。ギャラリーの名には、そのような思いが込められている。
所正泰は1979年岐阜県生まれ。2009年大阪芸術大学デザイン科卒業。ストップモーション・アニメーションの世界でカルト的人気を誇るブラザーズ・クエイ(スティーブンとティモシーのクエイ兄弟)の作品に影響を受けて、在学中よりストップモーション・アニメーションの制作を開始。あわせてアーマチュア(可動式骨格)をベースとしたオリジナル人形の創作も始める。卒業後は二科展デザイン部に入選を重ねる一方で、立体作品の制作や映像制作など幅広い活動を通じて、独自の世界観を構築している。
ウサギやヒツジなど動物の顔に人間を体を持つ人形は、頭部、手、足は木製、衣装は作家自身が染色・加工を施した生地を縫製したもの。アンティークを思わせる衣装に身を包み、ただ静かに瞳を閉じる人形たちは、どこか物悲しく、しかし気品に溢れた佇まいをみせている。
今展では、2008年の作から新作まで約30点を展示。なかでも、新作の立体作品をメリーゴーランドのように配置したインスタレーションには、作家の創作への職人的なこだわりと映像制作における演出的な眼差しが光る。この舞台装置が導き手となって、鑑賞者は容易くその作品世界へと没入することが出来るだろう。細やかな造形における手仕事の妙と、年を追うごとに深まる幻想的な作品世界。もの言わぬ人形たちから、あなたは何を感じ取るだろうか。
【会期】 2013年10月12日(土)~10月27日(日)
【会場】 NANATASU GALLERY(東京都港区西麻布2-12-4 小倉ビル3F) ※アクセス
☎03-6419-7229
【営業時間】 12:00~19:00
【休廊】 10月21日(月)
【料金】 無料
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