絵画の根源的な要素である「色彩」「かたち」と絶えず向きあい、人物や風景、とくに数多くの裸婦像をもってその探求を続けてきた洋画家・今井信吾(1938年兵庫県姫路市生まれ、独立美術協会会員、多摩美術大学名誉教授)。2002年の髙島屋での初の個展から11年となる今年、近作から新作による個展が、日本橋、横浜、大阪の髙島屋各店で開催される。
今井は、東京藝術大学にて林武教室、同大学院では山口薫教室に学び、68年に独立美術協会会員となった。76年に第11回昭和会賞を受賞後、文化庁の在外派遣として一年をパリとヴェネツィアで過ごす。78年からは郷里の姫路市文化センターで2年ごとの発表を行い、94年からは歴史あるグループ展・十果会へ参加。同時に、2009年までは多摩美術大学で後進の指導にあたってきた。
学生時代より取り組み、ライフワークとも言える裸婦像は、風景や静物などのモチーフとも深く関連しつつ発展した。家族が描かれるようになると、画面はより明るく運動性豊かに充実し、愛情や優しさの満ちたものへと変化も見せる。
教員生活を終えた今、絵を描くことは「少しは自由な気分」であり、「描くたのしみ」を大切にするという。「游々」の言葉を裏切らない、自由で伸びやかな絵画群が、会場を彩ることだろう。200号の大作からSMまで、油彩、ドローイングを含む約30点が出品する。
【会期】 2013年10月30日(水)~11月5日(火)
【会場】 髙島屋日本橋店6階美術画廊(東京都中央区日本橋2―4―1)☎03―3211―4111
【休廊】 会期中無休
【料金】 無料
【巡回】
11月13日(水)~19日(火)髙島屋横浜店7階美術画廊
12月18日(水)~24日(火)髙島屋大阪店6階美術画廊
【関連リンク】 髙島屋の美術
「新美術新聞」2013年10月21日号(第1326号)1面より