肉筆画専門の浮世絵師、初の展覧会
版画を1点も制作しなかった肉筆画専門の宮川長春(1682~1752)。現存が想定される200点近い作品より、73点を出品する展覧会が開催されている。
長春は独特の色香をもつ美人画を量産した。特徴のひとつは同じ図様をくりかえしたこと。人気の高い得意の図様は注文に応じ、いくつも描き分けられた。今展では定型作品を複数展示し、比較しつつ鑑賞できるのがうれしい。
これまで長春ひとりに焦点をあてた展覧会は開催されておらず、総合的な紹介は初となる。江戸の美人画をリードした浮世絵師の全貌に迫る、貴重な機会となるだろう。
【会期】 2013年10月12日(土)~11月17日(日)
【会場】 大和文華館(奈良市学園南1―11―6)☎0742―45―0544
【休館】 月曜、祝日のとき翌日
【開館時間】 10:00~17:00(入館は閉館1時間前まで)
【料金】 一般900円 高校・大学生700円 小学・中学生無料
【関連リンク】 大和文華館
特別講演
「宮川長春と肉筆浮世絵」
【日時】 2013年10月20日(日) 14:00~
【講師】 小林忠氏(国際浮世絵学会理事長)
「宮川長春と宮川派」
【日時】 2013年10月27日(日)14:00~
【講師】 稲墻朋子氏(岡田美術館学芸員)
※ともに参加無料、要入館料
「新美術新聞」2013年10月21日号(第1326号)4面より