今展は、19世紀フランスを代表する壁画家として知られるピエール・ピュヴィス・ド・シャヴァンヌ(1824~98)を日本で初めて本格的に紹介するものだ。
シャヴァンヌはフランスの主要建造物の記念碑的な壁画装飾を次々と手がけ、また壁画以外の絵画においても才能を発揮し、数々の名作を残した。イタリアのフレスコ画を思わせる落ち着いた色調で描かれたそれらの作品は、古来、桃源郷と謳われて来たアルカディアを彷彿とさせ、格調高い静謐な雰囲気を湛える。その含意に満ちた奥深い世界は、象徴主義の先駆的作例と言われる。古典的様式を維持しながら築き上げられたシャヴァンヌの斬新な芸術は、新しい世代の画家にも大きな影響を与えただけでなく、日本近代洋画の展開にも深く寄与した。
1850年代、1860年代、1870~80年代、1890年代と年代毎に区切ってシャヴァンヌの画業を展覧するとともに、最終章では、フランスへ留学した黒田清輝らを通じて日本の近代洋画の展開に与えた影響についても考察する。
【会期】 2014年1月2日(木)~3月9日(日)
【会場】 Bunkamura ザ・ミュージアム(東京都渋谷区道玄坂2-24-1)☎03-5777-8600(ハローダイヤル)
【休館】 無休
【開館時間】 10:00~19:00(金・土曜は10:00~21:00、入館は各閉館30分前まで)
【料金】 一般1400円 大学・高校生1000円 中学・小学生700円 障がい者手帳持参者は割引
【関連リンク】 Bunkamura ザ・ミュージアム