研ぎ澄まされた眼差しと確かな筆致による花鳥画で注目を集める日本画家・絹谷香菜子(1985年東京都生まれ、東京藝術大学大学院後期博士課程満期退学)の、髙島屋での巡回個展「絹谷香菜子展‐生命の樹‐」が開催中だ。
日本橋店を皮切りに全国5会場を巡回する今展では、「風鶴雷鶴図」など学生時代から描き続けてきた鶴や鳥を主題とした作品に加えて、多種多様なモチーフに初めて挑戦する。なかでも、力強く根を張る大樹に多くの生き物が集い、安息の表情を浮かべる幅6mに及ぶ大作「Dawn of Symphony」は必見と言える。東日本大震災をはじめ、世界各地で起こる悲惨な出来事が人々の不安を煽る中、作家自身が安息の場を求めていた心境が色濃く反映されたという本作、相反するものや異なるものを受け入れ、穏やかで安心できる時を願う作家の思いが、作品を通じて観る者の心に強く響くだろう。
【会期】 2014年2月26日(水)~3月4日(火)
【会場】 髙島屋日本橋店6階美術画廊 (東京都中央区日本橋室町1-4-1) ☎03―3241-3311
【休廊】 会期中無休
【開廊時間】 10:00~19:00 (最終日のみ16:00まで)
【料金】 無料
【巡回展】
[京都展] 3月19日(水)~3月25日(火)=髙島屋京都店6階美術画廊
[横浜展] 4月2日(水)~8日(火)=髙島屋横浜店7階美術画廊
[大阪展] 4月16日(水)~4月22日(火)=髙島屋大阪店6階美術画廊
[新宿展] 4月30日(水)~5月6日(火)=髙島屋新宿店10階美術画廊
「新美術新聞」2014年2月21日号(第1336号)4面より