公益財団法人五島記念文化財団が芸術文化分野で有能な新人に対して顕彰・助成を行う五島記念文化賞。平成24年度にその美術新人賞を受賞し、ドイツ・デュッセルドルフに約1年間滞在した市川裕司(1979年埼玉県生まれ、多摩美術大学大学院美術研究科絵画専攻日本画領域修了)の帰国記念展がコバヤシ画廊とスパイラルガーデンにて同時開催される。
今展で発表されるのは大作「世界樹」。ドイツの生活環境に組み込まれていたポリカーボネートのバーチカルブラインドが支持体として使用され、その全面には金属箔が押されている。西洋の歴史概念において重要なリンゴのシルエットが切り取られ、そこに出現するのは透過と反射に揺らめく巨大な樹木=世界樹だ。
2会場のうちコバヤシ画廊では真鍮箔と乳白板で23m幅を越す円環の情景を展示。またスパイラルガーデンではアルミ箔と透明フィルムによる高さ6.9m、幅12mの大画面でインスタレーションが行われる。海外研修を経た市川の新たな幕開けにふさわしいステージとなるだろう。
【会期】 3月24日(月)~4月5日(土)
【住所】 東京都中央区銀座3-8-12ヤマトビルB1) ☎03-3561-0515 日曜休廊、入場無料
【会期】 3月29日(日)~4月6日(日)
【住所】 東京都港区南青山5-6-23) ☎03-3498-1171 会期中無休、入場無料
【関連リンク】 市川裕司公式サイト
「新美術新聞」2014年3月21日号(第1339号)6面より